地域貢献のTOPICS 「こころとからだの未来フェス」食と運動で未来を変える!ウェルビーイング公開講座を開催
医療・栄養・運動を多角的に学ぶプログラム
久留米大学は、12月13日(土)、福岡市のONE FUKUOKA BLDG.(ワンビル)において、「Inner Calm Fukuoka 2025『こころとからだの未来フェス』食と運動で未来を変える!ウェルビーイング公開講座」を開催しました。本イベントは、本学の「学術研究推進プロジェクト企画」の一環として実施したもので、食事と運動の視点から“こころとからだの健康(ウェルビーイング)”について考える公開講座です。フリーアナウンサーの徳永玲子さんを司会に迎えて行われた講座には、多くの来場者が訪れ、講演や体験を通して、日々の生活を見直すヒントに耳を傾けました。
「Inner Calmを目指す未来の医療」 久留米大学病院 野村政壽病院長
冒頭では、医学部内科学講座(内分泌代謝部門)主任教授で、久留米大学病院の野村政壽病院長が、「Inner Calmを目指す未来の医療」と題して講演しました。野村病院長は、炎症性の高い食事が増えてきた現代の生活環境に触れながら、食事や運動を意識し、規則正しい生活を送ることが、心と体のやすらぎ、いわゆる「Inner Calm」を保つことにつながると説明しました。また、病気の治療だけでなく、予防や生活習慣の改善を重視する今後の医療の方向性についても紹介しました。
「DIIアプリを使って炎症性を知ろう」 久留米大学病院 内分泌代謝内科 蓮澤奈央講師
続いて、久留米大学病院 内分泌代謝内科の蓮澤奈央講師が、久留米工業大学AI応用研究所と共同開発したDIIアプリを用いて、食事の「炎症性」を可視化する取り組みを解説しました。講演では、日常的に摂取している食事が体内の炎症にどのような影響を与えるのかを分かりやすく説明し、会場では参加者が実際にアプリを体験しながら、自身の食生活を振り返る機会となりました。
トーク&エクササイズセッション(スポーツ選手の栄養の工夫を大解剖! トップアスリートから学ぶ運動の基本)
後半のトーク&エクササイズセッションでは、元福岡ソフトバンクホークスの攝津正さん、アビスパ福岡の橋本悠選手、元ラグビー日本代表でナナイロプリズム福岡の桑水流裕策ヘッドコーチ、山領一花選手、大橋聖香選手をゲストに迎えました。このうち、山領選手は本学人間健康学部スポーツ医科学科の卒業生、大橋選手は同学部の学生であり、本学にゆかりのあるアスリートとして登壇しました。
セッションでは、アスリートの皆さんに事前に入力してもらったDIIアプリの数値も示しながら、競技生活を支えてきた食事や栄養の工夫、コンディションを維持するための考え方などについて、実体験を交えたトークが展開され、来場者は、トップアスリートが語る実体験に、熱心に耳を傾けていました。
また、人間健康学部スポーツ医科学科の松永裕准教授、山中亮准教授がコメンテーターとして登壇し、アスリートの話題をスポーツ栄養学やトレーニング科学の視点から補足。専門的な内容を日常生活に置き換えて解説することで、参加者は「食」と「運動」をより身近なものとして理解を深めました。
トークセッションの後半では、桑水流ヘッドコーチによる、頭と体をほぐす簡単なエクササイズも紹介され、会場では参加者が実際に体を動かしながら、リラックスした雰囲気の中でイベントを締めくくりました。
食と運動から、持続可能な未来へ
閉会の挨拶では野村病院長から、健康的な食事や適度な運動が、個人の健康増進にとどまらず、地球環境の持続可能性にもつながるというメッセージも発信されました。参加者からは、「日常生活ですぐに取り入れられる内容で、食事のことを改めて考え直そうと思った」「カロリーだけでなく、食事の炎症性という新しい視点を知ることができ、大変勉強になった」といった声が聞かれました。
久留米大学は今後も、地域の皆さまの「こころとからだ」の健康を支える取り組みを進めてまいります。